大型開発と人口が東京に集中し、都市と地方の生産性の格差はますます拡大する(写真は2019年11月に開業した渋谷スクランブルスクエア:アフロ)

 2020年の東京オリンピックまで、約半年。今、東京では次々と大型開発が竣工を迎えている。

 渋谷を見渡しただけでも2019年11月に渋谷駅直結の渋谷スクランブルスクエアが竣工し、そこから歩いて5分のところには12月に渋谷PARCO、2020年3月には日本初の空中都市公園「宮下公園」が竣工予定だ。

 もちろん、渋谷だけではない。2020年3月に高輪ゲートウェイ駅が開業し、これを皮切りに2024年に向けて品川一帯は大型開発が一気に進む。

 東京で仕事をしていると、巷間言われる人口減少や高齢化、それに伴う日本社会の縮小など、どこか遠い国の話のように錯覚しがちだ。しかし、確実に日本は少子化と高齢化、それに伴う社会システムの変更に迫られる日が刻一刻と迫っている。

東京と地方の情報格差は人口推計を見れば明らか

 先日、とある地方都市にある大学の研究センター長が「この5年で東京と地方都市の関係性が大きく変わってしまった」と言っていた。情報の速度が東京とそれ以外の都市ではあまりにも違い過ぎるというのだ。インターネットの発達と多様なサービスの登場で、場所を選ばずに働ける時代がやってきたと言われつつも、やはり、東京とその他の都市ではいかんともしがたい情報格差があるという。

 もちろん、それは昔からあったことなのだが、地方活性化を専門とする彼によると、この5年の変化が非線形で、「地方にいると、取り残されていく感覚が半端ない」という。