(尾藤 克之:コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)
先日、テレビで「メラビアンの法則」を取り上げている番組がありました。コミュニケーションは身振り手振りが大切であることを伝えていました。ダイヤモンドオンラインに11月18日掲載された「なぜ『話し上手な人』ばかりが得をするのか」*1でも「メラビアンの法則」について触れられています。執筆者はコンサルティングファームの方ですが少々解釈を間違えているようです。
「メラビアンの法則」は、コミュニケーションの技術として広まった考え方です。人に情報が伝わるとき、視覚(ビジュアルが55%)、聴覚(音声が38%)、言語(文字が7%)の3つの要素があり、それぞれの伝わる頻度を数値化したものが「メラビアンの法則」と言われています。やはり視覚(ビジュアル)が大切です。見た目を良くして仕事も恋愛もHappyにしましょう――。
実は、これは間違った解釈です。いまでは曲解された伝わり方をしていることや、一般的に適用できないことを「Mehrabian and nonverbal communication」*2で公開しています。ところがいまだに「メラビアンの法則」は間違って伝わり続けています。なぜでしょうか。
間違った「メラビアンの法則」とは
11月18日掲載のダイヤモンドオンラインの記事「なぜ『話し上手な人』ばかりが得をするのか」では、「『メラビアンの法則』(聴衆に与える影響として、視覚が55%、聴覚が38%で言語情報は7%だという通説)もよく知られている」(原文ママ)として解説されています。
*1「なぜ『話し上手な人』ばかりが得をするのか」
https://diamond.jp/articles/-/220727
*2 Mehrabian and nonverbal communication-Presentation Tips from Olivia Mitchell
https://speakingaboutpresenting.com/presentation-myths/mehrabian-nonverbal-communication-research/