効果を実感した取り組みトップは「運動会・スポーツ大会」

HRプロ【図表10】コミュニケーション不全の防止・抑制策の中で、特に効果があったと思われる施策

 上記の防止・抑制策を実施した中で、実際に効果を実感した取り組みは何だったのか。回答のトップは、63%で「運動会・スポーツ大会」だった。チームでの協力や、ゴールに向かって競い合うスポーツは、会話だけのコミュニケーションよりも、より一層の達成感や一体感、盛り上がりを「体感」できるのかもしれない。以下、「経営層との定期面談・ミーティング」(59%)「飲み会・ランチ補助」(51%)「社員総会・キックオフ」(48%)「社員旅行」(48%)が続く。実施率ではトップであった「社内報」(16%)を効果ありと実感している企業は、実施している企業の16%に過ぎず、下位にとどまった。

「その他」の取り組みの例としては、「管理職との面談」「ツールの導入」などが挙げられていた。

 社内コミュニケーション活性化に効果があった取り組みについて、自由に回答してもらった。各社さまざまな取り組みがある。

【飲み会・レクリエーション】
・飲み会(ノミニケーション)の推進。会社が月1回3000円/人の補助金を出している。(メーカー)
・全社員を対象としたBBQや納涼会・納会。(サービス)
・コーヒーブレイクの機会を設けた。(メーカー)
・社内食堂を設置してコミュニケーションの場を作る。(情報・通信)
・様々なワークショップやイベントを開催。(メーカー)
・上司部下が一緒になって部署対抗で駅伝大会を開催した。(メーカー)
・スポーツ大会&BBQ大会。(商社・流通)
・飲み会、お誕生日会、社員旅行。(メーカー)

【経営層との直接交流】
・社長との座談会。(メーカー)
・経営層との定期ミーティングは効果がある。双方から忌憚なき意見交換ができる風土ができてきた。(メーカー)
・経営者と社員との膝づめ対話を実施したが、相互の理解、相互の尊重に役立った。(商社・流通)
・幹部との懇談会等で、軟らかいテーマを選定。場が盛り上がり、双方において意外な一面を学べた。(運輸・不動産・エネルギー)

【若手の集まり・同期会】
・社員が自発的に入社5年以内の全国メンバーに声をかけ、一年に一度集まることを3年以上継続しており、若手社員同士の活性化につながっている(商社・流通)
・若手社員を月に1度支店へ集めて、社員同士でフリートーク会を実施している。悩みや相談事も自由に発言できるようになっている。(メーカー)
・年次が同じ社員同士で研修をさせると、部署が違っても話が弾み、それが将来的には組織の強化に繋がると感じる。(メーカー)
・入社2か月後に、キャリア入社組の懇親会を開催。社内人脈構築とガス抜き、人事としての状況把握に役立っている。(商社・流通)

【サークル活動】
・語学教室、会議室を利用した日本酒の会、山登り会など。福利厚生ではない私的な交流会による親睦の方が、個人的なつながりが深まる。(サービス)
・スポーツ系のサークルは、体を動かすことがストレスなどの発散になり、その後自然と食事会に移る。(メーカー)
・社員自らが企画運営参加を行う朝活夜活の取り組み。2015年からスタートし、累計で3000人を超える。(商社・流通)

【研修・会議・プロジェクト】
・報連相研修は、上司部下のハードルをある程度まで下げることに一定の効果を示した。(サービス)
・全管理職(ラインマネジャー)向けの半年間のコーチング研修。(金融)
・プロジェクトチームの結成や集合研修・会議による課題の共有。(メーカー)
・スモールミーティングの多数開催。(商社・流通)
・部署の枠を超えた意見交換会をボトムアップ的に月1回開いている。(メーカー)
・職場(上司、同僚)の実態に関するアンケートを全員からとり、平均点だけを開示して全員で職場討議する。(メーカー)
・新ビジネス、運用改善の社内公募制度を導入したところ、部署内の会話が増え、他部署との会話にも波及した。(情報・通信)


【調査概要】
アンケート名称:【HR総研】社内コミュニケーションに関する調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2017年9月6日~9月20日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:上場及び非上場企業の人事担当者
有効回答:312件

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