<短い会談だったが、両首脳が手を取り合い、「対話を通じた解決策」の模索に共感したことは、今の両国関係に照らしてみると意味が大きい>

<歴史問題で認識の隔たりを縮めることが難しければ、まず日本は貿易報復措置を、韓国は韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)終了決定を撤回することも一つの案だ。両国政府は直ちに葛藤解消のための実践的行動に出なければならない>(以上、ハンギョレ新聞の社説)

保守メディアは文政権のこれまでの「反日路線」を痛烈批判

 一方、保守メディアは日本側の冷淡な態度に注目しながら、GSOMIAの終了を控えて米国からの「撤回圧力」で苦境に立たされた文在寅政権の外交失敗を強く批判した。

 朝鮮日報は、反日を煽ってきた文政権の無責任な態度を痛烈に批判した。

<わずか数日前まで外交努力を求める人たちを「親日派」と見なし、反日扇動の先頭に立っていたこの政権が、突然日本との対話にとらわれている姿は多くの国民を戸惑わせる>

<(文政権が)このように苦しい立場に立たされたのは、曺国氏に対する国民の怒りを逸らそうとGSOMIAを破棄したことによるものだ>

<大統領府は今、GSOMIAを延長するための小さな名分でも得なければならない状況だ。そのためには韓日会談が必要だろうが、日本は冷淡だ>

<大統領から大統領府の参謀、与党までが「李舜臣将軍の12隻の船」「義兵を起こすに値する事案」「東京オリンピックボイコット」「竹やり歌」を競って叫んだが、今、あの人たちはどこへ行ったのか。責任を負う人は一人もいない>

 文化日報も、「GSOMIA破棄は文政権の惨憺たる外交失敗」と指摘した。

<GSOMIA破棄を国益に基づいた決定だと主張してきた文在寅政府だが、終了期限が迫ると、混乱する姿を見せている>

<文政府がGSOMIAカードで反日感情を煽り、日本に圧力をかけ、輸出規制を緩和すると判断したことこそが、惨憺たる外交の失敗だ>

<今からでも文大統領は1965年体制の遵守および徴用の判決に対して、韓国内での解決を明らかにし、GSOMIA葛藤を源根本から解消しなければならない>

 しかし、日本の対韓輸出規制が強化された今年の7月以降、「二度と日本に負けない」と公言するなど、克日(を装った反日)を強調してきた文在寅政権と与党が、日本側から輸出規制に対する譲歩を取りつけることができないままGSOMIA復帰を決定するとは思えない。それは、まさに日本に対する敗北宣言であり、総選挙を6カ月後に控えた文政権にとっては自殺行為に相違ないからだ。

 結局、GSOMIA復帰を高圧的に要求する米国の攻勢の中でも、国内政治を優先する文政権はGSOMIA破棄を決定する可能性が高い。対日、対米強硬派が勢力を強めた大統領府が韓国外交の舵を握っている限り、韓国の孤立はさらに加速化していくだろう。

*掲載当初、天皇陛下のお名前の表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。