ニューヨークで行われた米ウクライナ首脳会談。左がウクライナのゼレンスキー大統領

ウクライナ大統領をマフィアの手口で脅す

「ウクライナゲート」疑惑が炸裂した。

 爆弾を投げつけたのは、トランプ政権の情報機関職員。米議会にお恐れながらと「申し立て書」を提出したのだ。

 このホイッスルブローワー(内部告発者)は「明智光秀」か、それとも正義の愛国者か――。

 申し立てを一言で表現すれば、「2020年米大統領選に向けてドナルド・トランプ大統領が外国を巻き込んだ『悪だくみ』を企てていた」ということになる。

 米メディアは一斉に飛びついた。それを「ウクライナゲート」と名づけた。「爆弾」の中身はこうだ。

「ドナルド・トランプ米大統領が7月24、25の両日、電話でウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領にジョー・バイデン民主党大統領候補(前副大統領)に関する調査を要求していた」

「さらにロシアの軍事侵入に備えて米国からの武器支援が欲しいウクライナに『俺の言うことを聞けば支援してやる』とまで言っていた」

 民主党が直ちに動き出したのは言うまでもない。今度こそトランプ大統領を弾劾に追い込める決定的な材料が出てきたからだ。

 トランプ弾劾をこれまで虎視眈々と狙ってきたアダム・シフ下院情報委員会委員長は、「まるでマフィアの親分のような言い草だ」と吐き捨ているように言っている。