さらに気になったのは、現場から500メートルほどの距離にあるガソリンスタンドとして、セルフのスタンドが確認できることです。

 仮に容疑者が、このセルフのスタンドで20リットル入り携行缶2つにガソリンを詰め、手押し車で移動した場合、京阪宇治線に沿って移動し、六地蔵駅前を通って曲がりくねった一本道を進み、一番奥に所在している京都アニメーションまで、衆人環視の朝の駅前通りをガソリンを押して移動していたことになります。

 ガソリンは「第1石油類」に分類される、最も引火性の高い物質の一つです。

 第1石油類は引火点が摂氏21度以下のものが相当しますが、自動車ガソリンは沸点が40~220度、引火点はマイナス40度と極めて低いので、真冬のシベリアや北極南極など極寒の地でも車のエンジンが働きます。

 逆に言えば、そのような物質を分留して「自動車ガソリン」として製品化しているわけで、極めて危険な物質ですので、オレンジ色に着色され、間違ってもおかしな扱いを受けないよう、十分な注意が義務づけられています。

 今回の放火事件があり得ないのと、ことによると同じくらいに、午前中の駅前、線路沿いの道路を、直後に放火犯になる人物が40リットルのガソリンを手押し車で持ち運んでいたという事実はあり得ない。

 法で定められた容器に入れられているとはいえ、すぐに汲み出すことができる状態、付近でたばこなど吸う人がおり、手押し車が小石に躓くなどして転倒、蓋の締めかたが不十分といった理由で大量のガソリンがこぼれるといった事態も、決して考えられないわけではないように思います。

 何よりも、もしこれがセルフのスタンドでの購入であったなら、明らかに法で禁じられた行為であったことになります。

 容易に模倣犯が真似できる、こうした情報が「全容解明」の過程でメディアに流れることのリスクを、思わざるを得ません。