3か月半後の12月26日号「週刊女性」が「小室圭氏の母の借金トラブル」をスクープして初めて問題が発覚する。

 その後は「週刊新潮」「週刊文春」が競うように小室家の内実(父親・祖父母の自殺や母親の霊媒師との関わりなど)を暴き、「納采の儀」(平成30年3月4日)も迫った2月7日の各紙が、結婚延期の宮内庁発表を報道したのである。

 皇室の弥栄と安泰は、国民が敬仰し信頼する高貴性(それこそが万世一系とされる男系天皇でつないできた貴種)、さらには民間人に嫁がれて平民となられても世間の尊敬を受けられることによって保持されている。

 このためには、平民女性が皇室に入る場合と同様に、皇族女性、中でも内親王殿下が民間人に嫁がれて平民になられる場合も品位を保ち、内外において皇室をお助けする立場を必要となる。

 そのためには相手にも相応の品位が求められるが、「現時点の資産と本人の収入見通しからいって、未来の天皇の姉夫婦としての体面を維持できる生活が成り立ちそうもない」(八幡氏)。

 皇族に在っては、「恋は盲目」では済まされないのだ。

宮家にはそれなりの品格が必要

 われわれは皇族の婚礼をいくつも思い出すことができる。昭和天皇の皇女は東久邇、鷹司、池田、島津家へ嫁がれ、三笠宮家は近衛、裏千家の男性と結婚された。

 上皇后となられた美智子さまは正田英三郎氏(当時日清製粉社長)の長女であった。

 正田家は華族ではないが、公家名門の徳大寺家(公爵)から養子を迎えている住友家(男爵)と昭和電工の安西家を通じて繋がっていた。

 また、上皇の皇女清子(さやこ)内親王は東京都庁職員であった黒田慶樹氏に嫁がれた。

 黒田家は九州日向の大名だった秋月家(子爵)や明治に活躍した薩摩閥の税所家(子爵)と縁続きである。