(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)
今年(2019年)は衆参ダブル選挙の可能性が高いというのが、多くの政治プロの見方のようだ。この見方を大いに高めたのが、自民党・萩生田光一幹事長代行の発言である。
同氏は、4月18日のインターネット番組で、10月に予定されている消費税10%への増税について、次のように語ったからだ。
「景気回復がここまでしてきて、腰折れして、またやり直しになったら、何のための増税かということになってしまう。ここは与党として、よく見ながら対応していきたい」
「今までも消費増税は『やめたほうがいい』という意見もある。6月の日銀短観の数字をよく見て、本当にこの先危ないぞというところが見えてきたら、崖に向かってみんなを連れて行くわけにはいかないので違う展開がある」
「(増税を)やめるとなれば、国民の皆さんの了解を得なければならないから、信を問うということになる。(衆参)ダブル選挙は、G20(20カ国・地域)首脳会合があるので日程的に難しいと思う」
消費税増税の延期には賛成だが・・・
消費税増税を先送りすること自体は、大いに検討されるべきことだろう。この間、消費税増税の反対論を一貫して主張してきた産経新聞の田村秀男編集委員は、5月5日付同紙の「日曜経済講座」で次のように指摘している。
「平成の経済政策は非常識がマンネリ化していた。代表例はデフレ圧力下での消費税増税である」
「消費税増税はGDPの6割を占める家計消費を萎縮させる。その結果、日本経済はデフレが慢性化した」