またかよ・・・。そう思った人は多いはずだ。大相撲の春場所で全勝優勝を果たした横綱白鵬の言動が物議を醸している。土俵下でNHKの優勝インタビューを受けている際に「三本締め」を行ったことで横綱審議委員会(横審)から苦言を呈された。
平成最後の場所で史上最多を更新する42度目の幕内優勝を果たしたことは多少称えられたものの、三本締めにケチをつけられて結局のところ、またしても「悪者」に仕立て上げられた格好だ。しかし世の中の人たちは必ずしも横審に同調してはいない。なぜこうも白鵬は揚げ足ばかりとられるのだろうか。
相撲協会に「白鵬処分」を促した横綱審議委員会
確かにあの場で白鵬が三本締めを行ったことが正しいかどうかについては、厳密に言えば、間違いだったと評さざるを得ないのかもしれない。「本場所は神送りの儀式ですべてが終わる。優勝した横綱とはいえ、一力士がやれる立場にあるのか疑問。(過去に)万歳して問題になった。『おかしいんじゃないか』という意見を理事のみなさんに伝えた」とは横審・矢野弘典委員長の弁だ。
ちなみに白鵬は元横綱日馬富士の暴行問題で大揺れだった2017年九州場所で優勝後にも、千秋楽のインタビュー中に観客と万歳三唱を行い、理事会から厳重注意を受けている。今回の一件によって横審の面々としては完全に面子を潰された格好となり、「観客を煽る行為を一度ならず二度も繰り返すなんて」という私怨にも近い怒りがあったのは想像に難くない。3月25日に行われた定例会合で横審の中から「第一人者にあるまじき行為」という、かなり乱暴な言葉で痛烈な白鵬批判が飛び出していたのも、それを物語っていると言えるだろう。