ぜいたくな「家庭の味」だった昭和のドーナツ

「栄養と料理カード」でたどる昭和レシピ(9)ドーナツ

2019.03.08(Fri)三保谷 智子

口絵にはカードと連動した材料とプロセスの写真

同号の口絵を開くと「ソフト・ドーナツの作り方」がある。写真入りの説明は初心者にも分かりやすい。
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 同号では、「栄養と料理カード」と連動し、文字だけでは分かりにくい材料や作り方を、写真9点で追いながら紹介している。前書きには「買えばいくらもあるとはいえ、お手製の味は又格別で、これなら必ずフンワリできます」。

 印刷物への写真掲載が容易ではなかった時代としては、新しい試みだった。プロセス写真があれば、用いる調理器具やその使い方も分かりやすい。泡立て器で混ぜる、粉をふるう、たねをさっくり混ぜるといった様子が手にとるようだ。

 小麦粉の包装に「VIOLET」の文字が見える。現在でも日清製粉グループで販売している小麦粉の銘柄「バイオレット」。色が白く、きめが細かい特選薄力小麦粉である。

 材料表下には「粉は特に麩質(筆者注、グルテンのこと)の少い薄力粉(同、菓子用粉)をえらんでください 1個分6.3円でできます」とある。中ほどに見える金属製の器具がドーナツ型。筆者の実家の台所の引き出しにも同型のものが眠っている。

 余談だが、当時のプロセス写真は、調理人の手前から撮影していることに気づくが、現在は調理人の背後から撮影する方法が多い。

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