7年目のシーズンを迎える反町・松本山雅(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)。

 開幕を1週間後に控えたJリーグ。今シーズンの「チームビジョン」はどんなものか。元日本代表の岩政大樹氏がキャンプをとおして各チームを分析する。二度目のJ1となった反町・松本山雅に感じたこと。

「素走り」を行っている理由

 2月6日に『スカサカ!ライブ』の取材で、静岡県は清水市で行われている松本山雅FCのキャンプに行ってきました。

 私にとって松本山雅FCは、ファジアーノ岡山でプレーしていた時こそ“因縁の相手”でしたが、色々と馴染み深いクラブでして、取材に行くといつも良くしていただいています。特に反町監督とは日本代表で少しご一緒した時期もあってか、とても気にかけていただいているのを感じています。私の勝手な想像ですが、常識よりも自分の感覚を大事にするという点で、どこか似たところを感じていただけているのではないかと思っています。

 そんなこともあり、今回も取材の枠を超えて、とてもたくさんの学びを得ることができました。

 さて、練習ですが、その日は2部練習。次の日には実践的な紅白戦があることなどお構いなしに、見るからに厳しい練習を課していました。特に午前中は、ボールは使わずにシャトルラン。選手によって個別にタイムを設定して、長い距離と短い距離を織り交ぜたシャトルランを繰り返します。

 現代ではこのような所謂「素走り」を行わないチームも増えてきましたが、反町監督は「必要だからやる」と。

 なるほど。それが良く分かったのは午後の練習においてでした。

 午後は打って変わってゲーム形式の練習。基礎的な練習で体と感覚を研ぎ澄ませると、コートを少し狭くした中で11対11のゲームが行われました。

 この日は攻撃にフォーカスをあてた練習。チームが始動してしばらくは守備をメインに、この時期あたりで攻撃に着手してきたようでした。