ビジャの獲得など世界的ビッグネームに加え、山口蛍、西大伍ら国内のトップ選手を獲得したヴィッセル神戸(写真:西村尚己/アフロスポーツ)。

開幕を1週間後に控えたJリーグ。今シーズンの「チームビジョン」はどんなものか。元日本代表の岩政大樹氏がキャンプをとおして各チームを分析する。今回は、ヴィッセル神戸。

目に付いた怪我人の少なさと一流のスタッフ

 2月10日、11日と2日間、沖縄でキャンプを張るヴィッセル神戸の練習を見てきました。こちらも『スカサカ!ライブ』の取材を兼ねたものでしたが、ファンマ・リージョ監督の練習を見に行くのは初めて。グアルディオラが師と仰ぐ知将はどんな方なのか。また、イニエスタやビジャのプレーは? 行く前から興味は尽きませんでした。

 初日は、この日、神戸から移動してきたこともあり、長めのランニングから始まりました。その後、ステップワークのトレーニングを挟み、動きの意識づけを行った上でボール回しとポゼッションのトレーニング。

 まず気付いたのは怪我人の少なさでした。アメリカで練習とトレーニングマッチを繰り返してきたようですが、開幕前のこの時期に怪我人が少ないことは好材料でしょう。

 おかげで、イニエスタ選手やビジャ選手もしっかりと見ることができました。
彼らのプレーは一目瞭然、動きに無駄がありません。「無駄がない」とは“必要な場所以外は筋肉を使わない”ということで、彼らは動きの中で決して上下動することがありません。頭の位置が変わらず、スーッと前に出て行くように動いていきます。

 2日目の初めに行われた杉本龍勇さん(フィジカルトレーニングアドバイザー)のトレーニングでは、それがより鮮明に分かりました。杉本さんは岡崎慎司選手や吉田麻也選手を指導され、いくつかのJクラブでも仕事されている方。ヴィッセルは、監督や選手だけでなく、通訳やコーチなどにもこうした一流の人材を呼んで強化を図っています。非常に興味深い取り組みで、その一つ一つが結実したら、と期待せずにはいられません。