そこには、「絶対に隠さなければならない、渡してはいけない重大な秘密」があったと考えざるを得ない。

 韓国は、海上自衛隊の哨戒機を韓国の軍艦に近づかせないために、哨戒機の正常な飛行を、「威嚇飛行だ」と非難し続けている。

 「北朝鮮に頼まれてなぜやったのか」という意図を読まれないように、軍事常識では考えられないことを言い続けて、争点をすり替えているのだ。

特殊工作船とみて間違いない木造船

 韓国国防省が1月4日に公開した動画に映っている木造船を詳細に見ると、北朝鮮の木造漁船の中でも比較的大型のものだった。

 前方と後方にイカ漁には必要ではない高いポールが立っており、AM通信(モールス通信)用と見られるケーブルが張られている。

 日本の海岸に漂着している木造船には、このような高いポールがあるのは、極めて少ない。このアンテナを展張するAM通信には1000キロを超える通達距離がある。

 長距離通信用の通信装置を保有しているのは、北朝鮮本土から遠く離れて行動する工作機関か特殊部隊の船に限られる。

 この木造船は、2001年九州南西海域で、海上保安庁に追跡され、自爆して沈没した工作船とは全く違う。

 沈没した工作船は、その後、海中から引き揚げられて詳細に分析されたわけだから、北朝鮮が別の形をした工作船を建造していても当然のことだ。

 AM通信を使えば、燃料がなくても人力で発電し通信できるものもある。漂流していても本国への連絡が可能だ。