アマゾン、配送業に参入へ 米紙報道

米カリフォルニア州トレーシーにあるアマゾンの配送施設で商品を仕分けする従業員(2015年1月20日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / GETTY IMAGES NORTH AMERICA / 〔AFPBB News

 米アマゾン・ドットコムはここ最近、自前の物流サービスを強化していると米ウォールストリート・ジャーナルが報じている。

 同社は、eコマース事業の一環として、マーケットプレイス(出店型出品者)事業を行っている。これに参加する企業の多くは、大手物流業者のサービスを使い、自社の商品をアマゾンの倉庫に納入している。そして、それらの商品をアマゾンに委託された、同じく大手の物流業者が顧客宅に配達している。

 しかし、アマゾンは昨年(2018年)、こうした配送サービスを一貫して手がける事業「アマゾン・シッピング(Amazon Shipping)」を始めた。同社が商品を出品者の倉庫に取りに行き、それを顧客の元に配達する、マーケットプレイス業者向けの包括的なサービスだ。

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大手よりも割安なサービス

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アマゾンは最近、その料金を大手物流業者のそれよりも安くするという旨の電子メールをニューヨーク地区のマーケットプレイス業者に送った。

 記事によると、大手は通常、年末商戦などの繁忙期や週末などの配達時に追加料金を課すが、アマゾンには追加料金がないと同社は説明した。

 このほか、大手の配送料金には、企業(事業者施設)向けと個人宅向けがあり、後者は割増しになっている。企業向けは、一度に大量の荷物を運ぶが、個人向けは一軒当たりの荷物が少なく、コストがかさむからだ。一方でアマゾンのサービスは、もともと同社のeコマース商品を個人宅に届けることを主眼に置いていることから、そもそも、そうした割増料金はない。