既存のターボファンエンジンによる飛行の効率化も進むため、それにも勝たなければならない。実際、ターボファンエンジンも進化している。
例えば、ファンの回転数の問題は、減速ギアという解決策が実用化されている。減速ギアを挟むことでファンの回転速度を最適化できる。
すでに新型のエアバス「A320neo」や三菱飛行機の「MRJ」にもこの技術は使われている。また、ファンやファンケースもチタンから炭素繊維複合材に置き換えることで軽量化されている。
ハイブリッド旅客機が本当にメリットを出すことができるかは、現時点ではまだ確定的でない。
しかし、技術が進歩していくことは確かであり、特にモーター、パワーエレクトロニクスは鉄道車両やハイブリッド車のおかげで、急速に進歩してきた事実がある。
なお、日本は新幹線や省エネ電車などの開発やハイブリッド車の開発などで、こうした技術が得意なため、航空機電動化は日本にとってビジネスチャンスになる可能性もある。
大型旅客機を電気で飛ばすと聞いて、純電動航空機のようなものを想像すると、現在の技術水準と比較して出鱈目に見える。
しかし、ハイブリッド旅客機であれば、膨大なサイズの電池を積む必要がないため、実現性ははるかに高くなる。
モーターや配線という余計な重量を積み込むことが、航空機の常識に反するように見えるが、そこには電動化ならでは効率化の可能性という回答が存在する。
現時点では、具現化するかは分からないにしても、ハイブリッド旅客機は全くの荒唐無稽な発想に基づいているわけではない。
何十年後かに、我々が乗る旅客機が電気で飛ぶ時代も来るかもしれない。