スペースが許せば、(1)(2)(3)のそれぞれについてきちんと説明したいのですが、とりあえず、まずこれだけは知っておいてもらいたいのは、(1)の原料がバイオマス由来であることと、(2)の生分解性を持つことは、本質的には全く関係のない事象だということです。
つまり、石油から作るプラスチックに生分解性を持たせることもできますし、生分解性がないプラスチックをバイオマスから作ることもできますよ、ということです。
ではなぜ、多くの人が「バイオマス由来のプラスチック=生分解性を有するプラスチック」のようなイメージを持っているのでしょうか。
あくまでも私の推論ですが、その昔、バイオマス由来では安定したプラスチックを作るのが難しかった時代に、簡単に分解してしまうプラスチックを普及させるために、「バイオだから生分解性がある!」と、弱点を逆手にとった喧伝を誰かがせっせとした結果であると思っています。
・・・ですが、科学的・論理的には筋が通らない認識が社会の常識になっている事例はよくあることですし、本当のところはよく分かりません。(コラーゲンを肌に塗っても、肌からは吸収されませんよー)
「100%植物由来」なら環境に良いのか?
ところで、こうしたバイオプラスチックは環境に良いのでしょうか。
(2)や(3)の場合も含めると話が複雑になるので、とりあえず、(1)のバイオマスを原料とするプラスチックなら環境に良いのか、というところだけ答えます。確かに、化石資源の使用量を従来品よりも減らしながらプラスチックを作ることができれば、それは環境に良いといってよいと思います。
実際に、そんな“有るべきバイオプラスチック”の実用化のための研究開発は、世界中で盛んに行われています。また、既にいくつかの製品が販売されていますが、まだまだあまりに目にすることはありません。