歯ごたえに口触り、進化する食べやすさの測定方法

教科書が通用しない「テクスチャー測定」に挑む

2018.12.07(Fri)佐藤 成美

高齢社会、重要さ増す「噛みやすさ」

 高齢化が進む近年では、テクスチャーやその測定が食品の開発で重視されている。高齢になると、咀嚼や飲み込む力(嚥下)が低下する人が多く、食品には食べやすさが求められている。テクスチャーは口の中で感じる感覚なので、咀嚼や嚥下と密接な関係にある。嚥下困難者向けの噛みやすく、飲み込みやすい食品が開発されている。それらの食品は、やわらかく、まとまりやすく、べたつかない状態であることが食べやすく望ましいとされる。

UHA味覚糖が製造している「咀嚼能力測定用グミゼリー」。30回咀嚼し、10段階で判定する。(写真提供:UHA味覚糖)

 そこで、食べやすさの評価には、食品のかたさや付着性や粘度などのテクスチャーが使われている。2009年に厚生労働省が示した嚥下困難者用食品の許可基準や、1994年に示された高齢者用食品の物性規格では、客観的な評価尺度としてテクスチャー的な要素が盛り込まれている。

 今年、UHA味覚糖が製造している「咀嚼能力測定用グミゼリー」によるスコア法が保険適用となった。製品のグミを噛んでどれだけ細かくなったかで、咀嚼能力を判定するというものだ。ゼリーのテクスチャーの特性を利用したものといえるだろう。

評価の難しい性質の評価に挑む

 食品と物理がつながるとは、少し意外に思う人がいるかもしれない。食品にも物理の分野があって、食品の評価などに重要な役割を担っているのだ。

 味や香りは、特定の成分を分析することで調べられるが、食品の物性は、食品全体から示される性質なので評価は難しい。近年は非破壊分析なども進んでおり、食品のおいしさや機能性の新たな一面が見つかるのではないかと期待される。

いかがでしたか?
JBpress をブックマークしましょう!
Twitterで @JBpress をフォローしましょう!
Facebookページ に「いいね」お願いします!

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る