文在寅大統領の支持率もじわじわ下がっていたが、「経済が良くならない」という不満もその原因の1つだとの指摘が強まっていた。
そんな中で出てきた発言だった。今の政権から見れば、「良い話も出始めている」というメッセージを発信したいのは当然だ。
体感景気とのあまりの差に・・・
ところが、必ずしも肯定的な反応が多かったわけではなかった。体感景気とあまり距離がある発言だったからだ。
「えっ? そんな統計があったの?」
翌日の大手紙や経済紙はさっそく発言内容を「検証」した。
もちろん、大統領発言が「虚偽」だったわけではない。そういう統計があることは間違いない。問題は、その解釈だった。
まずは自動車の生産統計だ。
産業通商資源部がまとめている国内自動車生産統計によると、8月と10月の生産台数は、前年同月比でそれぞれ、8.1%、36%のプラスだった。
これだけみれば、大変な活況ともいえる。ところが9月は、マイナス18.2%だった。何でこんなにバラつきがあるのか。
1つは、旧盆にあたる秋夕(チュソク)連休がいつあったのかによって「稼働日数」に大きな差が出る。