かねて、携帯電話世界最大手のフィンランド・ノキアと米マイクロソフトとのスマートフォン分野での提携が噂されていたが、案の定、ノキアは2月11日に開催したアナリスト向け説明会でマイクロソフトと提携すると発表した。
それによると、ノキアは同社の主要スマートフォン戦略でマイクロソフトのモバイル基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・フォーン(Windows Phone)」を採用する。
両社はマーケティングでも協力し、製品の開発計画でも協業する。
さらにノキアの端末やサービスにマイクロソフトの検索サービス「ビング(Bing)」を導入し、検索連動型広告も展開していく。
一方でノキアの地図サービスは、マイクロソフトの地図サービスの中心的な存在になるとしている。これに加え、ノキアのコンテンツやアプリケーションのオンラインストアはマイクロソフトのオンラインストアに統合する。
これによりノキアは同社が推し進めてきたOS「シンビアン(Symbian)」にかかる研究開発費を削減でき、検索広告といった新たな収益源も生まれる。アプリケーションの市場ではマイクロソフトと共同展開することで規模の効果が見込めると考えている。
マイクロソフトにとっては、売り上げが伸び悩むウィンドウズ・フォーンの普及につながり、OSのライセンス収入も入ってくるとしている。
ノキア、「グーグルとの提携も検討した」
米ガートナーの調査によると、ノキアは昨年10~12月期の世界携帯電話市場でシェア首位を維持したものの、スマートフォンの分野では米グーグルの「アンドロイド(Android)」端末に抜かれ、シェアを奪われている。
一方のウィンドウズ・フォーンも売り上げが伸び悩んでおり、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」の後塵を拝している。