携帯電話世界最大手のフィンランド・ノキアとソフトウエア最大手の米マイクロソフト(MS)がスマートフォンなど高機能モバイル端末の分野で提携するとの観測が流れている。

 きっかけとなったのは独ベレンベルグ銀行のアナリストがノキアのエロップ最高経営責任者(CEO)とマイクロソフトのバルマーCEOに送った書簡。これが英フィナンシャル・タイムズのブログに公開されたことで話が一気に広がった。

 またノキアはこの2月11日に英国ロンドンでアナリスト向け説明会を開催する予定だが、これに関してノキアは口を閉ざしたまま。同社は事前にイベントの概要を伝える企業だが、今回は異例の態度。

 このことから何かマーケットに大きな影響を及ぼすような発表があるのではないかという憶測が高まっている。

ノキア、マイクロソフトともにシェアが激減

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シェアを落とすノキア〔AFPBB News

 実はこのような話が出るのには3つの理由がある。

 1つは、ノキアのエロップCEOがマイクロソフト出身ということ。エロップ氏はマイクロソフトでバルマーCEOの後継者候補と目された人物だったが、昨年9月にノキアの組織再編の一環として同社社長兼CEOに就任した。

 この時から両社がスマートフォン分野で何らかの提携を協議するのではないかと言われていた。

 2つ目は、両社がスマートフォン市場で苦戦しており、その状況がここにきて顕著になってきたこと。

 ノキアは2002年まで米国でトップシェアを誇っていたが、その後、カナダRIM(リサーチ・イン・モーション)の「ブラックベリー(BlackBerry)」や、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド(アンドロイド)」搭載端末にシェアを奪われている。

 米国の調査会社ストラテジーアナリシスによれば、昨年第3四半期の米国市場におけるノキアのシェアはわずか2%にまで落ち込んでいる。

ノキア「ほかの生態系に参加する用意がある」

 一方のマイクロソフトにはモバイル端末向けのOS「ウィンドウズ・モバイル」があるが、こちらもノキアと同様にシェアが激減している。

 英国の調査会社カナリスによると、昨年第4四半期における世界のスマートフォン市場でウィンドウズ搭載端末のシェアはわずか3%。