(花園 佑:中国在住ジャーナリスト)
今年(2018年)の上半期(1~6月)まで、中国の自動車市場は安定成長していました。ところが、9月における中国の自動車販売台数は239.4万台で前年同期比11.6%減となりました。乗用車販売台数もここ3カ月連続で前年割れが続いています。9月は前年同期比12%減の206万台と落ち込み、単月としては2012年以来7年ぶりとなる下落幅となりました(いずれも中国汽車工業協会のデータより)。
このように中国の自動車市場は突如変調をきたし、業界が騒然としています。その理由として様々な要因が挙げられていますが、今のところ決定的な要因は特定できていません。
今回は中国の自動車市場に何が起きているのかを報告したいと思います。
「ブラックセプテンバー」の衝撃
下のグラフは今年1~9月における中国の乗用車販売台数をまとめたグラフです。
今年上半期においては、春節(旧正月)の影響を受け営業日数が前年に比べ少なかった2月を除き、毎月、プラス成長を維持していました。しかし7月以降は3カ月間連続でマイナス成長が続いています。特に9月は中国で「金九銀十」(金の9月、銀の10月)と称されるほど消費が活況となる月にもかかわらず12%減という大幅な落ち込みぶりで、市場関係者に大きな衝撃を与えました。