ロシアから優れた製品が次々に出るか
では、ロシアから日本の製品を凌ぐ製品が次々に出てくるかというと、そうはならないであろう。
仮に優れた技術があっても、実用化されなければ意味がない。
ロシアは工業の規模が小さく、多様性も乏しい。せっかくの新技術があっても、ロシア国内では活躍の場を見つけることが困難である。
新技術が使う側といい出会いを実現するということは、ロシアでは起こりにくい。
また、自動車のように多種の技術が組み合わさってできる製品では、一定以上の水準の技術と品質の部品がそろって初めて商品になる。
ロシアは、そうした意味でのバランスは非常に悪い。単層カーボンナノチューブにしても単体では商品にならないため、商品化には他の技術との組み合わせが必要である。
しかし、ロシアはOCSiAl社のカーボンナノチューブのように世界最高水準の技術が、ポツポツと見つかる国であるのも事実である。
日本は産業化、商業化が得意であるので、こうしたロシアの技術を発掘し、実用化するようなことをすれば、優れた日露協力になるのではと思う。