カーボンナノチューブは、パイプ状の壁一つの単層カーボンナノチューブと壁が複数重なった多層カーボンナノチューブがある。
単層カーボンナノチューブが性能的には優秀であるが、価格があまりにも高かった。
そこで、単層カーボンナノチューブの安価な製法の研究開発がなされてきた。
日本でも日本ゼオンなどの企業が参加するNEDO主体の国家プロジェクトで、単層カーボンナノチューブの廉価製法の開発がされてきた。
このプロジェクトは決して失敗したわけではない。
従来製法に対し、3000倍の成長効率で、長さも500倍の単層カーボンナノチューブを製造できるようになった。
かつて、1グラムで数万円した単層カーボンナノチューブは、1グラムあたり1000~2000円程度まで安く作れるようになった。
さらに、この単層カーボンナノチューブの純度はロシアのカーボンナノチューブを凌ぐ。
しかし、ロシアのOCSiAl社は、金属の粉の上に単層カーボンナノチューブを成長させる技術を開発し、1グラムあたり300円で単層ナノチューブを製造できるようになった。
純度は日本の単層ナノチューブより低いが、価格は3分の1以下である。