何一つ、定まったことはありませんが、大方の見通しでは、2018年にこの「偽ノーベル賞」を貰ってしまうと、少なくとも2019年に公開される、2018、2019年度分のノーベル文学賞を授与されることはないだろう、という観測が支配的です。

 というのも、現時点でもスウェーデン・アカデミーは半崩壊状態で、立て直しの目途がまだ立っていません。

 2018、19年度のノーベル文学賞は、かねてのダーティーなイメージを払拭する、よほど清新なものでなければ、スウェーデン国内を含め国際世論が納得しないだろう、という見方がなされています。

 そこで前年の「偽ノーベル賞の後追い」などは絶対にしないだろうというわけです。

 この「ノミネート辞退」という前代未聞の日本人作家は、いわずとしれた村上春樹氏で、「そこまでしてノーベル賞が欲しいか?」と、賞に恋々たる姿勢そのものが、「ノーベル賞の授与に相応しくないのでは?」という声も聞かれました。

 それ以前に、村上春樹氏はノーベル文学賞に全く相応しくない、まるで逆の傾向の作家であるという見方が、すでに一部では定着しているのも事実です。

 日本では、本の売り上げが大事なのか、日本人が活躍というと何でも喜ぶという話なのか、ともかく「ノーベル文学賞→村上春樹」という脊椎反射が見られます。

 しかし、アカデミーが刷新して 頭がおかしくなってしまわない限り、この作家がノーベル文学賞を受けることはないと認識しています。

 別段、罵詈雑言でもなければ批判ですらありません。

 大衆小説作家が芥川賞にノミネートされないというのと同じくらい、根拠のはっきりした「お門違い」だからです。