タイのサッカーチームのコーチと少年たち13人が増水のために洞窟に閉じ込められ、無事全員が救出されました。救出したのはイギリス人を中心とするベテランの洞窟ダイバーたちでした。
全世界が固唾をのんで救出の成否を見守っているときに、テスラのCEO、イーロン・マスク氏はアイデアマンらしく子供がちょうど入るような大きさの潜水ポッドを作り、プールでテストして救出に名乗りを上げました。けれども、マスク氏本人が潜水ポッドと共に現地入りしたにもかかわらず、それらは役に立つことはありませんでした。
このまま終わっていれば、マスク氏が自分のやり方で奮闘したことは、結局は役には立たなかったとはいえ、人を助けたいという善意の表れとして記憶に残ったはずです。しかし、そうはなりませんでした。
救出後、イギリス人ダイバーのリーダー格の1人が、マスク氏の作った潜水ポッドではくねくねと曲がった洞窟を通れず、全く役立たずの代物で、マスク氏の行動は単なる売名目的だと批判しました。それに激高したマスク氏は、そのダイバーを「pedo」(小児性愛者)とツイッター上でののしったのです。
救出の立役者であるダイバーを何の根拠もなく大っぴらに貶めたことは、大きな批判を浴び、テスラの株価は大きく下落しました。
最終的にマスク氏は謝罪したものの、マスク氏の経営者としての資質に大きな疑問符が突きつけられる、という最悪の事態となりました。