ザ・コネクテッドデーで一般ユーザーを前にプレゼンする豊田章男社長。左が新型カローラスポーツ、右が新型クラウン(写真提供:トヨタ自動車)

 日本の自動車業界に「歴史的な瞬間が訪れた」と言っていいだろう。

 6月26日、トヨタ自動車がメガウェブ(東京都江東区)で「ザ・コネクテッドデー」と銘打ったイベントを開催。豊田章男社長と友山茂樹副社長が、事前のネット公募で当選した一般ユーザーを前に新型「クラウン」と新型「カローラスポーツ」の商品説明を行った。

 日本の自動車メーカーが、会社のトップが登場する新車発表会をメディア向けより先に一般ユーザー向けに行うのは極めて異例だ。

 それだけではない。「クラウン」と「カローラ」を同時に発表というのは、中高年の人にとっては違和感があるはずだ。「クラウン」はトヨタブランドの最上級モデルであり、一方の「カローラ」は大衆車の代名詞である。かつて高度経済成長期に、「いつかはクラウン」というキャッチコピーがあった。つまり、「カローラ」はトヨタブランドへの入り口となるエントリーモデルであり、「クラウン」にたどり着くまで一生懸命に働くことが日本人のスタンダードとされる時代があった。そうした長きにわたるクルマの常識を、今回トヨタ自身がぶっ壊したのである。

新型「クラウン」「カローラ」の走り心地は?

 ザ・コネクテッドデーの翌週、同じ場所で新型「クラウン」と新型「カローラスポーツ」のメディア向け公道試乗会が行われた。房総半島の内房にあるホテル施設を基点に、周辺の公道での試乗を行った。