現在、テジン以外の韓国のベッド製造会社は、ラドン測定を済ませ、検出されなかったということを必死に宣伝している。
筆者は、テジンベッドを使っていたわけではないが、ちょうどベッドの買い替えのために売場に行って見たところ、どの売り場でもラドン検出器を出しており、ラドン検出されてないことを強調していた。
韓国産に見切りをつけ、外国産に目を向ける消費者たちに、販売員たちは「欧米のベッドはその歴史が長いため、ラドン検出なんてあり得ません」と断言していた。統計はないが、外国産に買い替える人たちも多くなっているという。
2日間で2万以上のマットレスを回収
だが、この事件はそう簡単には終わらない。なぜなら、テジンベッド側が回収すると約束していたものの回収が間に合わず、さらに回収したマットレスの置き場にも困っているのだ。
回収が遅々として進まないので、大統領も介入して「郵便局の流通網を使って回収を早めよ」という異例の命令が下された。
これで回収が進み、16~17日の両日で全国からマットレス2万2298本を回収した。しかし、その回収に携わった郵便局員が18日に死亡するという事件も起きた(実際、ラドンを運んだからか、過労死なのかはまだはっきりしない)。
回収したマットレスの処理も問題になっている。
郵政事業部(郵政省)が回収したマットレスを忠南タンジンという地域の野積場(のづみば:荷捌きや一時保管のための施設で屋根のないもの)に集め、そこで解体する予定だったが、住民たちの反対で搬入が中断され、マットレスはビニールに包まれ野積場に放置されている。