アップル、iPhoneの暗号化強化へ ロック解除ツールに対抗

アップルのロゴ(2017年9月22日撮影)。(c)AFP PHOTO / Josh Edelson〔AFPBB News

 米アップルは、今年(2018年)秋に発売する新型「iPhone」について、現在、その生産計画をまとめているところだと、米ウォールストリート・ジャーナルなどの海外メディアが、事情に詳しい関係者の話として伝えている。

安価な液晶モデルに重点

 これに基づけば、今年、生産されるiPhoneは、その大半の台数が、液晶ディスプレー(LCD)を備えるものになる見通し。

 アップルは昨年、iPhoneの10周年モデル「iPhone X」を市場投入したが、このモデルにiPhoneとして初めて、OLED(有機EL)ディスプレーを採用した。

 OLEDディスプレーは、その名のとおり有機物の発光体を利用する。液晶ディスプレーのようにバックライトを配置する必要がなく、低消費電力が実現する。また基板には従来のガラス基板だけでなく、薄いプラスチックなど軟らかい素材を使うこともでき、薄型化が可能だ。高輝度、高コントラストといった特徴もある。

 しかし、OLEDディスプレーは生産工程が複雑なため、歩留まりが悪く、コスト高になる。英国の市場調査会社IHSマークイットの推計によると、iPhone Xのディスプレーにかかるコストは約100ドルで、これ以外のiPhoneのディスプレーコストは約40ドル。

 このことが反映されたのか、iPhone Xの価格は、ストレージ容量が小さいものでも999ドルする。これは、液晶モデルの「iPhone 8」(699ドル)や「iPhone 8 Plus」(799ドル)と比べて割高だ。