仕事がら、地方に出ることが多く、出先での数少ない楽しみの一つに、街で銭湯を見つけたら入ってみるというのあります。
テレビなどに出ていた時期もあり、変に顔を知られている面もあるので、都内などでは銭湯を利用できないこともあるのですが、見知らぬ土地でひなびた銭湯で疲れを癒すというのは、悪くないものです。
惜しむらくは、このところ、そんな具合で時折訪れていたお風呂屋さんが数件、店を閉めてしまったことで、経営は難しいのかもしれません。
家庭の風呂は狭く小さく、子供を入れるにしてもせいぜい1人か幼児が2人、大家族がみんなでお風呂、なんて絵柄は、第2次世界大戦後の核家族とは乖離した話なのかもしれません。
逆に、お父さんが子供たちを連れてお風呂屋さんにやって来て、ああでもないこうでもないと世話を焼いているような風景は、心が和まされます。
先日も、そんな親子連れを、ふらっと立ち寄った銭湯で目にしました。
坊やが浴槽にきちんと漬かるように、お父さんが数を数えさせているのですが、それを九九でやっているんですね。
「2・1が2」
「にーちがに」
「2・2が4」
「ににんがし」
「2・3が6」
「にさんがろく」
・・・とお父さんが先に言うケースもあれば、子供に先に言わせて
「しーちがし」
「4・1が4」
「しにがはち」
「4・2が8」
「しさん・・・しさんが・・・」
なんて止まっちゃったりもして、いい風景でした。
ときに、みなさんは九九の規則性をどれくらい意識していますか?