「平昌オリンピック」の話題もそろそろ忘却されようとしている今日この頃だが、南半球のオーストラリアでは「コモンウェルスゲームズ」(Commonwealth Games)が開催されている。オリンピックと同様に4年に1回開催されるが、日本ではほとんど報道されることがない知られざるスポーツの祭典だ。
コモンウェルスゲームズは日本語で表現すれば「英連邦競技大会」となる。「英連邦」とは、大英帝国の自治領や植民地だった諸国で構成される連合体のことだ。第1回大会は1930年にカナダで開催された。構想自体は、フランスのクーベルタン男爵が提唱した「オリンピック大会」よりも先行していたが、オリンピック第1回アテネ大会が開催された1896年より30年以上遅れて実現した。当初は「ブリティッシュ・エンパイア・ゲームズ」(大英帝国競技大会)とよばれていた。
21世紀になってからは、イングランドのマンチェスター、オーストラリアのメルボルン、インドのデリー、スコットランドのグラスゴーで開催されている。そして2018年4月4日、オーストラリア東海岸のリゾート都市ゴールドコーストで「2018年コモンウェルスゲームズ」(XXI Commonwealth Games)が始まり、現在、真っ最中である(4月15日まで)。開会宣言は、英国のチャールズ皇太子が行った。本来は、英連邦の象徴的存在として、オーストラリアの国家元首であり英国女王でもあるエリザベス2世が行うはずであった。だが、まもなく92歳という高齢もあって公務縮小の対象となり、皇太子夫妻が名代として出席することになったのだ。