英国のメイ首相が明日(2017年8月30日)から初めて来日することになっている。今回の来日は日本政府による招待であり、公賓としての来日となる。
首脳会談では、喫緊の課題である北朝鮮の核問題対策が話し合われるとされているが、もちろん「ブレグジット」(EU離脱)後をにらんだ英国と日本の関係強化も目的の1つであろう。
日本から見れば、英国はユーラシア大陸を挟んで対極の位置にある欧州の島国だが、現在でもアジア太平洋地域に深い利害関係をもっている。このことを念頭において、日々のニュースを見ていく必要がある。
英国は朝鮮戦争に参戦していた
まずは、1950年から3年間続いた「朝鮮戦争」を振り返ってみよう。今回のメイ首相の公式訪問の第1の目的が北朝鮮の核問題への対応だからだ。
「朝鮮戦争」といえば、一般的に日本人はどうしても北朝鮮と米国の対立関係に限定して考えがちである。しかし、実態は大きく異なる。
朝鮮戦争で北朝鮮と戦ったのは「国連軍」(UN Force)であるというのが歴史的事実だ。さらに戦争後半には、1949年の建国からまもない中華人民共和国がソ連の後押しで北朝鮮側に立って参戦している。