アマゾン「第2本社」、238自治体が熱い誘致合戦

米アマゾン・ドットコムのロゴ(2014年11月11日撮影)。(c)AFP/John MACDOUGALL〔AFPBB News

 米アマゾン・ドットコムが、当座預金に似た金融サービスを開発すべく、米国の大手銀行と協議していると、米ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。

eコマースの代金を口座から引き落とし

 この協議はまだ、初期段階であり、計画は実現しない可能性もある。ただ、もし実現すれば、アマゾンは銀行と提携し、若年層の顧客や銀行口座を持たない顧客に訴求できるサービスを提供する可能性があると記事は伝えている。

 具体的なことは明らかになっていないが、例えば、顧客がアマゾンのサイトで買い物をする際、アマゾンに登録したクレジットカードではなく、アマゾンブランドの銀行に開設した自分の口座から直接、商品の代金を支払えるようになる。

 このほか、顧客が小切手を切ることができたり、ATM(現金自動預払機)を利用したりできるようになるといった可能性も考えられるが、現時点で詳細は分からないという。

 この計画に関し、アマゾンは昨秋、数行の銀行から提案を募った。今は、米大手銀行のJPモルガン・チェースと米地銀大手のキャピタル・ワンなどから出された案を比較、検討していると、事情に詳しい関係者らは話している。

 仮にアマゾンブランドの銀行口座サービスが立ち上がれば、同社は、商品販売の決済時に、金融サービス企業に支払っている決済手数料を削減したり、顧客の収入や支出に関する行動データを得たりすることができるようになるかもしれないと、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

銀行とは良好な関係

 ただ、アマゾン自らが銀行業を始めて、金融業界の破壊者になることは、なさそうだとも同紙は伝えている。