1月末、英国のテリーザ・メイ首相が中国を訪問した。キャメロン政権に比べるとメイ政権は中国を警戒しているといわれる。メイ首相は「一帯一路で協力したい」としながらも、一帯一路の覚書には署名せず中国をあとにした。
だが、それでも関係強化の動きはあった。それは金融面での協力だ。
大きな取り組みの1つが、雄安新区(中国河北省)におけるフィンテック拠点の共同開発である。開発主体となるのは、中国銀行、中国雄安建設投資集団と、英国のカナリーワーフグループだ。英カナリーワーフグループは、金融テクノロジーと不動産を結び付けた開発と管理で知られる。ロンドンのシティに次ぐ金融街「カナリーワーフ」を開発し、世界の金融機関を集め、国際的な金融街に成長させた陰の立役者でもある。
新たなフィンテック拠点の名称は「雄安金融科技城」。直訳すれば「雄安金融テクノロジーシティ」となる。この開発は、中国河北省で進められる副都心計画「雄安新区」の大きな目玉になるとみられる。中国の識者の間には、上海の浦東新区を超える金融街が誕生するのではないかと期待を寄せる声もある。