カウアイ島のイージス・アショア施設(写真:ロッキード・マーチン社)

 1月31日、ハワイ・カウアイ島にあるアメリカ軍の弾道ミサイル迎撃システム試験施設において、弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」から弾道ミサイル迎撃用ミサイル「SM3ブロックIIA」を発射して弾道ミサイルを撃墜するテストが実施された。結果は、失敗であった。

現在の迎撃成功率は3割

 イージス・アショアは稲田朋美・前防衛大臣、そして小野寺五典・現防衛大臣を筆頭に日本政府防衛当局が積極的に導入を推し進めている弾道ミサイル防衛システムである。そして、日本が導入する予定のイージス・アショアには、日米が共同開発中のSM3ブロックIIA迎撃ミサイルが搭載されることになっている。

SM3ブロックIIAミサイル(写真:レイセオン社)

 今回実験に失敗した「イージス・アショア + SM3ブロックIIA」は、実験の2週間ほど前に、イージス・アショア導入に積極的な小野寺大臣がわざわざハワイの施設を訪れて“実地検分”した装置である。小野寺大臣が迎撃実験当日に招待されなかったのがせめてもの救いであるが、巨額の国税を投入してアメリカから高額兵器であるイージス・アショアを輸入調達しようとしている日本政府国防当局にとっては、タイミングが悪いテスト失敗であった。