中国には化粧をしない女性が多い。上海市の地下鉄や路線バス、デパートなどで見かける女性たちで、化粧をしている人はざっと見て3割以下。化粧と分からない程度のナチュラルメークがほとんどで、口紅やアイシャドー、マスカラまでするしっかりメークの人は少数派だといえる。
まわりにいる友人の女性たちを見ても、休日自宅にいるときはもちろん、会社に出勤するときも、ほとんど化粧をしない。たまにしっかりメークするのは、結婚式に出席する、同窓会に参加する、観劇・コンサートに行くといった、少しおめかしして外出するときくらい。化粧はあくまでも特別なときにするものとしての位置づけだ。
「毎日メーク」は3割
香港の貿易促進機関、香港貿易発展局(HKTDC)が2015年末に行った、中国の都市部に住む女性2400人(20~40代)を対象に実施した調査リポートによると、調査対象者のうち「毎日化粧をする」と答えた女性は27%にとどまった。59%が「必要な場合にのみ化粧をする」と答えており、「まったく化粧をしない」と答えた人も14%に上った。
上海だけで見ても、毎日化粧をすると答えた人は3割強。これは、おしゃれ好きが多い上海の女性でも毎日は化粧をしない、という中国女性のすっぴん率の高さを裏付ける結果となった。
同調査によると、日常的に使用する化粧品として最も多いのはBBクリームで、約6割に上った。BBクリームとは美容液、化粧下地、ファンデーション、日焼け止めなどを兼ねそなえた、ナチュラルメーク派ご用達の化粧品で、さまざまなメーカーが商品を販売している。以下は、化粧落とし(46%)、日焼け止め(44%)と続き、口紅やファンデーション、マスカラ、リップグロス、まゆずみなどのしっかりメークの必需品は、すべて4割以下という現状が明らかになっている。