米セクハラ問題の最終的な対象者はドナルド・トランプ大統領(以下、トランプ)だろうと思っている。
いま米国ではほとんど途切れることなく、著名人のセクハラ問題が浮上している。ハリウッドの映画関係者から政治家にいたるまでの「糾弾の波」はとどまることがない。最終到達点は政界トップになる可能性がある。
トランプのセクハラ問題に移る前に、今回のセクハラ問題に少し触れたい。
過去30年、重ねてきた罪の数々
ことの発端はニューヨーク・タイムズが10月5日、映画プロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏のセクハラ問題を暴露したことである。同氏によるセクハラは過去30年ほども続いており、何人もの女性被害者が出ていた。
被害者が声を上げたことで、これまでセクハラを受けてきた女性たちが次々に立ち上がった。その矛先が違う著名人にも向けられた。
俳優ケビン・スペイシー氏、共和党ロイ・ムーア上院議員、民主党アル・フランケン上院議員、さらに著名な放送ジャーナリストのチャーリー・ローズ氏など、米国では誰もが知る人物ばかりである。
「こんな人もセクハラをしていたのか」といった感想しかない。
個人的な印象としては、ローズ氏がCBSテレビを21日に解雇されたことが衝撃とさえ言えた。というのも筆者が在米中、同氏の冠番組を観続けていたからだ。