ハムザ・ビン・ラディン(以下ハムザ)という人物をご存知だろうか。
ビン・ラディンという名前がついているので、ピンとくる方が多いかもしれない。2011年にパキスタンで米特殊部隊に殺害されたウサマ・ビン・ラディン(以下ウサマ)の息子である。
ハムザがいま、父親亡き後、アルカイダだけでなく複数のイスラム過激派を統合させて聖戦を続ける人物とみなされている。今年1月、米国務省はハムザを国際テロリストのブラックリストに入れたほどだ。
次世代テロリストのリーダー
語弊を恐れずに述べると、次世代の「テロリストのリーダー」と呼べる男なのである。本当ならば、ハムザ容疑者と書くべきだが、便宜的にハムザと記す。
2011年にウサマが殺害された時、同じ邸宅にいた息子3人も死亡。当初はハムザも殺害されたと思われていた。
だが拘束されたウサマの妻(3人)の1人ハイリア・サバルが、パキスタン当局に「ハムザはいなかった」と語り、生き延びていることが分かった。ウサマは生前、ハムザを「最愛の息子だ」と呼んだほど寵愛しており、後継者が残ったのだ。
ハムザとはいったいどういう人物なのか。これから何をしようとしているのか。
正確な年齢は公表されていないが、現在28歳と言われている。旧ソ連がアフガニスタン戦争で敗北し、ウサマが反米活動を始めた頃にハムザはサウジアラビアで生まれている。
ビン・ラディン一家はその頃からスーダンやアフガニスタンを転々としたが、ハムザはいつも父親のかたわらにいた。アルカイダは最近のハムザの画像や映像を公表していないが、幼少の頃、ウサマのそばにいる映像が残っている。