英国の市場調査会社、カナリスがまとめたVR(virtual reality、仮想現実)用ヘッドセット市場の最新レポートによると、これら機器の世界出荷台数は、今年(2017年)7~9月期に100万台を突破した。
成長のカギを握るのは製品価格
VRヘッドセットの四半期出荷台数が100万台の大台に乗ったのは、これが初めてだ。現在この市場は規模が小さく、本格開花するのは、まだ先と言われている。しかし、VRヘッドセット市場は、今のところ減速する兆しがまったくないとカナリスは報告している。
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同社によると、この勢いをもたらしたのは、製品の価格低下。消費者市場におけるVRヘッドセットの普及は、その価格に依存するところが大きいという。
例えば、米フェイスブック傘下の米オキュラスVRは今夏、同社のヘッドセット「Oculus Rift」を期間限定で399ドルに値下げし、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の「PlayStation VR」と同じにした。これが奏功し、オキュラスVRの製品はよく売れた。そして、この結果を踏まえ、同社は今秋、Oculus Riftの恒久的な値下げを決めた。
上位3社の合計シェアが86%に
7~9月期のメーカー別出荷台数を見ると、最も多かったのはソニーで、その台数は49万台。これに、オキュラスVRの21万台、台湾HTC(宏達国際電子)の16万台と続いた。