先の衆院選挙で自民党が比例で獲得したのは、1855万票だった。他方、野党は立憲民主党が1108万票、希望の党が968万票で合わせると2076万票となり、自民党を上回る票を獲得していた。
自民党、公明党、日本のこころの合計は2561万票だが、立民、希望に共産党、社民党票を合算すると2610万票となり、やはり野党が与党を上回ることになる。
野党が四分五裂していたことが自民党に大勝をもたらしたことは、この票を見ても歴然としている。惜しいことをしたものだと思うが、それぞれの政党の思惑や結党経緯もあるので仕方がないことでもあろう。
希望の党と自民党はどこが違うのか
小池百合子氏が希望の党を立ち上げた際、「寛容な保守」を掲げた。これが意図しているところは、今の自民党が「不寛容な保守」だと言いたかったからであろう。言い換えれば、安倍一強体制への対立軸としてのスローガンだったわけである。
朝日新聞(11月19日付)の「検証 民進党の分裂」によれば、民進党との合流協議の際、前原誠司代表が「民進の100億円超の資金や党職員の提供を申し出たが、小池氏は断った」そうである。そして、「全員(の合流)は困る。私は、憲法と安全保障は絶対に譲れません」と注文をつけたという。朝日記事は「憲法改正と安保政策は、小池の保守政治家としての生命線だ」と解説している。