北朝鮮が日本に警告、米国への盲従は「差し迫った自滅」

北朝鮮平壌近郊で発射台から離れる北朝鮮の中距離弾道ミサイル「火星12」とされる写真。朝鮮中央通信提供(2017年8月29日撮影、30日公開、資料写真)。(c)AFP/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

 北朝鮮が核搭載大陸間弾道ミサイル(ICBM)を手にすることが確実になったため、アメリカでは、ミサイル防衛局(弾道ミサイル防衛システム開発の元締め)はもちろんのこと、連邦議会の議員も多くの人々も、弾道ミサイル防衛システムの強化を唱え始めている。具体的には、北朝鮮から飛来するICBMを迎撃するために、アラスカ州とカリフォルニア州に配備されている「GMD」(米本土防衛用弾道ミサイル防衛システム)から発射するインターセプター(迎撃用ミサイル)の数を増やすべきだという主張である。

 日本でも、「イージス・アショア」(地上配備型の弾道ミサイル防衛システム)導入の声が急激に力を得ているようである。

既存のBMD態勢で十分という声も

 アメリカで弾道ミサイル防衛(BMD)の強化が叫ばれているのは、北朝鮮のICBMがアメリカ本土に到達するかもしれないという新たな脅威が誕生してしまったからである。これまでも、ロシアと中国のICBM攻撃に対処するためのBMD態勢は、完璧ではないものの充実させる努力を続けてきてはいた。

 しかし、長年にわたって互いに「核攻撃~報復核攻撃」という恐怖の均衡でバランスを取りつつ共存してきたロシアや中国と違って、北朝鮮の出方はアメリカにとっては読み切れない。そのため、北朝鮮の核戦力は、ロシアや中国の核戦力とは比べようがないほど貧弱とはいうものの、まさに新たな脅威としてアメリカ(それもグアムやハワイだけではなくアメリカ本土)に降りかかっているのである。