中国に渡ってからの15年間、留学から起業に至るまでの道のりを振り返っている。
【前回の記事】「僕を中国で本気にさせてくれた中東の男性の励まし」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50547)
家内の後押しと勢いで、事業内容も決めないまま中国に会社を立ち上げた僕だったが、貿易仲介業に失敗した後、シルバーアクセサリーの取引に目を付ける。しかし、東京ビッグサイトでの展示会にも足を運んでみたが、中東系の人に応援はされたものの、これといった成果はなく大阪の実家に帰るのだった・・・。
人を頼る難しさ
東京の展示会は空振りだったので、大阪で家内の留学時代の友達という人たちに会うことにした。日本人、中国人、リヒテンシュタイン人、韓国人と色とりどりの人たちが総勢6名、皆シルバーアクセサリーなどを販売するのに興味があるという人たちだ。
中華料理店での打ち合わせ。お座敷から聞こえてくる、何やら下手くそな中国語やら英語やら、不思議なイントネーションの日本語が飛び交う会話に、さすがに店員さんもちょっとひいていた。だが、気にせず僕は、中国から安いシルバーアクセサリーを仕入れて日本に送るから、みんなに売ってほしいという話をした。
皆、やる気満々で聞いてくれたので、「これはいけるんじゃないか?」などと密かに期待し、「すごい売れたらどうしよう?」という捕らぬ狸の何とかのような会話で盛り上がりつつ、餃子をかなり平らげた。上機嫌で別れた僕は、さっそく家に戻って家内に報告。これはかなり期待できそうだと説明した。
だが、結果としてはこの方法もうまくいかなかった。