チェルノブイリを世界最大の太陽光発電所に ウクライナが計画

ウクライナにあるチェルノブイリ原発(2016年4月8日撮影)。(c)AFP/SERGEI SUPINSKY〔AFPBB News

 広大なステップ地帯のただ中にある大きなくぼみ。この地点から、大天空に向かって大きなキノコ雲が広がった。

 1949年8月29日、旧ソ連における初めての核実験が行われた中央アジア、カザフスタン、セミパラチンスク。ここで、1991年までに約500回の核実験が行われた。

 そして忘れてはいけないのが、この核実験によって広範囲に汚染が広がり、人々が被爆した事実だ。今でもその傷は癒えていない。

核廃絶をもっと声高に

 8月は、広島・長崎の原爆忌に、私たち日本人は核兵器の悲惨さを認識し、決して使ってはならないと胸に刻む。

 しかし、昨今、核軍縮への道は、保有国と非保有国との間に溝ができ、中国・ロシアとの関係、米韓の合同演習を巡って、緊迫感が強まっている。

 北朝鮮は相次いで核実験を繰り返し、ドナルド・トランプ米大統領の過激な発言を呼び込んでいる。

 核兵器により、国の威信を誇示する国際政治に対し、「愚かしいこと」と提言していくことが、被爆国日本の役目ではないだろうか。しかし、国連の非核宣言に米国の核の傘下にあることを忖度し、交渉会議にも参加しなかった。

 そして、北朝鮮の核実験の報を聞くにつけ、一般市民の生活が核兵器開発のために困窮を極めているのではないかと想像する。

 国営テレビの成功を伝える切り口上のアナウンスに、ミサイル発射を遠くから見ている金正恩国家主席の笑顔は、揺るがぬ権力を手中に収めた独裁者ー妖怪のような違和感がある。

 核の開発と使用は絶対に許さない――。

 唯一の被爆国日本はもっと声を上げていいはずだ。チェルノブイリで被曝した人たちの支援に何度も現地入りし、また旧ソ連の核実験の地を訪れて住民の苦しみをこの目で見てきた私は心からそう思う。