中国人や華僑が祝う旧正月は、祝い事の「赤」は外せない。また、日本と違って、なるべく「大きな」飾り物や贈答品が好まれる。
同貿易会社のジェフリー・タン社長は「旧正月には大きくて赤いものが重宝される。スカイベリーは色も大きさも、味も甘くて完璧!」と日本から輸入されたスカイベリーに一目ぼれ。
華人の富裕層や日本人、欧米人などが顧客の首都のクアラルンプールの高級スーパーで「12個、6500円」で売ったが、予想を上回る大盛況だった。
客の中には日本への出張で「忘れられなかったこの味が、マレーシアで再び、味わえるとは」と感激! 3箱も買っていったマレーシア人がいたぐらいだ。
イチゴをそのまま食べないマレーシア
通常、マレーシアなど東南アジアのスーパーに並ぶイチゴは、今まで豪州、米国からのものが主流。日本産の高級品種に比べ、イチゴの皮は硬く、酸味がとても強く、さらにジューシーさはない。
現地のマレーシア人のイチゴの印象は「酸っぱくて、おいしくない」。そのためイチゴを生で何もつけず食べる習慣がなく、必ずと言っていいほど、練乳やチョコフォンデュにして食べるのが一般的だ。
マレーシアの人にとって、生のイチゴを食感するのは、しかも、こんなに甘いものは人生初体験だったに違いない。
米国などの輸入品が1パックあたり約30リンギ(約800円)。マレーシアでは屋台など安い外食価格が10リンギ(約270円)ほどであることを考えると、イチゴはまだまだ高級品。
しかし、希少な果物イチゴは、我々日本人にとっての、マンゴーやドリアンのような存在。人気がないわけではない。
日系のスーパーなどには、常に50パック近くが陳列され、希少なだけに、特売時には何パックもまとめ買いする人がいるくらいだ。