商店街でのアニメ「ヒノマル!」上映会の様子

日本は、新しいものを創るのが苦手だと言われている。それは、ルールを守ることに長け、ルールを作ることに慣れていないからだ。しかし、日本を変えていくのは「新しいゲームやルールを創る」ことができる人々だ。彼らは何を考え、どのように動いているのか?

 徳島県に住む人を中心にした6人のメンバーで制作されているテレビアニメがある。2017年7月からケーブルテレビ徳島で放送が始まった「ヒノマル!」だ。徳島県阿南市出身の漫画家である大東優也氏の漫画を原作にしたアニメである。ある一族のたった1人の生き残り、ヒノマルが仲間と冒険をしながら世界を救うというストーリーだ。

「ヒノマル!」は県内にとどまらず、全国から注目を集めている。元々は徳島発の漫画雑誌で連載されていた作品が、ひょんなきっかけからラジオドラマ化され、ついには熱心なファンの応援でテレビアニメ化にまで至ったからだ。おまけに、アニメの制作チームの面々は全員が未経験者だというのだ。

「ヒノマル!」のアニメを制作しているのは、「ヒノマル プロジェクト」というクリエイター集団である。プロジェクトの牽引役は合同会社「STUDIO SOL」の代表、丸山貴成さん。イラストレーターやFlashムービーを作っていたWebクリエイター、声優など制作に関わる人たちが自主的に集まり、ラジオドラマやアニメの制作のほか、まんが教室の開催、イベント参加など多様な活動を展開している。

 アニメーションや映画制作などは東京で挑戦する人が多い。そんな中、なぜ徳島で生まれたこのプロジェクトが注目され、クリエイターを引き寄せるのか。丸山さんに話を聞いた。

「ヒノマル!」の主人公ヒノマル