「ジュニア氏がメールを公開したことには驚きました。自らロシア疑惑を認めたことに等しいですから」
「今後はトランプ陣営にいたスタッフたちが議会やムラー氏のチームに召喚されて証言を迫られるでしょう。そこで嘘をつけば偽証罪になりますから、少しずつ真実が明らかになっていくはずです」
連邦議会ではすでに5つの委員会がロシアゲートを別々に調査している。同時にムラー氏のチームによる捜査も進んでおり、トランプの包囲網は強化されていくだけだ。
最終的にはロシア政府の介入と共謀をトランプ本人が知っていたのか、さらに介入によって選挙結果に影響が出たのかどうかが問われることになる。
大統領周辺で逮捕者の可能性
ウォーターゲート事件の時は、ハーバード大学教授だったアーチボールド・コックス氏が独立検察官に任命されたのが1973年5月で、リチャード・ニクソン大統領が辞任する74年8月まで1年3か月の歳月があった。
トランプはロシア政府とトランプ陣営との共謀があったとしても、関与を否定してくるだろう。スタッフたちは、大統領だけは守ろうとするはずだから、犠牲になって罪をかぶる人間が出てくるかもしれない。
将棋で言えば、王将(トランプ)を守るために金や銀、または飛車と角でさえも差し出すということだ。司法取引が行われるかもしれない。もちろん、王将が法的に関知していなかった可能性もある。
今後、弾劾裁判が行われるにしても来年以降になるだろう。
司法と行政が独立した形で完全に機能しているという点が厳格に示されるとしたら、逮捕者が出ることもある。ムラー氏にかけられた期待は大きい。