この先、どのような社会が待ち受けているのだろうか。

 JBpressの記事「人工知能に奪われない最後の2つの仕事とは」にショックを受けた人は多いのではないか。なにせ「人間に残される仕事はイノベーションとコミュニケーションの2つしかない」というのだから。もしその仕事に就けなかったとしたら、失業者になってしまうということになる。

 今の漫才師を見ても、売れるのは一握り。売れ続けるのは奇跡。コミュニケーションで食べていこうとしても、漫才師と同様、食べていくのは相当に難しいだろう。イノベーションにしたって、現時点でも成功者は一握り。つまり、「ほとんどの人が失業する」というご託宣を受けた印象だ。

失業者だらけの社会は成り立つか

 そこでふと、不思議に思う。ほとんどの人が失業した社会って、本当に成立するのだろうか?

 ドローンが運送業をするようになり、自動運転でタクシーの運転手も要らなくなり、多くの企業で人工知能やロボットが働いて人がいなくなり、失業者だらけの社会。

 失業者にはお金がない。お金がないから買えない。せっかく自動化して商品をこれまでになく安く提供できるようになっても、その安い商品さえ購入できない人ばかり。すると、その自動化システムを維持するだけの売り上げも確保できないのではないか。

 コストカットしようとして雇用を減らしたら、商品を買ってくれるはずのお客さんもいなくなるという皮肉。自動化社会は、もしかしたら自滅システムなのかもしれない。

 お金持ちは買い物を続けられるかもしれない。だが、お金持ちは数が少ない。巨大化したネットショップを維持できるほどの売り上げが可能だろうか? お金持ちはお金をあまり使わないからお金持ちなのだ。ということは、結局、自動化社会は崩壊してしまいかねない。