生団連は食品スーパー最大手、ライフコーポレーションの清水信次会長が設立を呼び掛けて、2011年12月に設立された経済団体だ。スーパーや百貨店、食品メーカーなど、消費者と関わりの深い企業や業界団体、それに消費者団体など合わせて555の企業と団体が加盟している。
清水氏は、経団連や日商(日本商工会議所)と生団連との違いを次のように説明している。
「日本経済団体連合会や日本商工会議所などの経済団体と比べて、生団連の大きな違いは、消費者とかかわりが深い企業、団体から構成されるという点だ。会員企業には流通、食品メーカーなどのほか、消費者団体も含まれており、国民の生活や生命を守ることを目的に、政策提言などを行っていく」(出所:ダイヤモンド・オンライン)
清水氏の発言にみられるように、生団連は消費者の側に寄り添うことを大きなアイデンティティとしている。実際、生団連の主張を見ると「デフレ時の増税はするべきではない」「東電の電気料金の値上げは容認できない」など経団連とは大きく異なる。
臨時総会では、清水氏から小川賢太郎・ゼンショーホールディングス会長兼社長へと生団連会長のバトンが受け継がれた。小川氏は就任挨拶で、生団連の活動について次のように抱負を語った。
「流通産業では多くの企業が平和的に世界展開し、当地の人々に喜ばれています。それは、日本の厳しい消費者に鍛えられた流通業、最高の商品を作るメーカーには文化と技術力、そして心があるからです」
「生団連は、消費者団体と生活産業メーカー、流通サービス産業、こういった団体や会社が、日本を良くしていこうという思いの下に集まりました。──力を合わせて『世界に範たる日本』『尊敬される日本』にしていきましょう」
国会議員たちは生団連の影響力が高まっていくことを理解している。国会の会期中にもかかわらず与野党の重鎮が臨時総会に詰めかけたことからも、政界は生団連の存在を軽視できなくなっていることがうかがい知れる。臨時総会はマスコミにはほとんど取り上げられなかったようだが、東芝の「解体」を契機に確実に流れは変わっていくのではないか。
(参考)
・「国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)会長 (ライフコーポレーション会長)清水信次 行革の公約実現が最優先 性急な消費増税には反対だ」(ダイヤモンド・オンライン)
・「経団連と一線画す『生団連』加盟550団体に急増」(MSN産経ニュース)