カシオ、電卓販売が世界累計10億台を突破 - 東京

カシオ計算機の電卓。右は同社の10億台目の製品〔AFPBB News

電卓の√キーの思い出

 私が電卓に夢中になり始めたのが10歳から11歳です。きっかけは√キーです。√の意味を知らない小学5年生の私は、ふと思いつきました。√に続けて1、2、3、4、5、…と順に数値を代入してみようと。

 √→1=1、√→2=1.4142135、√→3=1.7320508、√→4=2、√→5=2.2360679、√→6=2.4494897、√→7=2.6457513、√→8=2.8284271、√→9=3、√→10=3.1622776

 8桁の液晶画面には数字が並びます。そのパターンから始めに気づいたのはリズムです。2、3、5、6、7、8、10に対して√の値は8桁の数字が返ってきますが、1、4、9に対するそれは1桁の整数値です。

 「はてな?」と思いながら、11、12、13、14、15、16と続きを試してみました。11から15に対する√の値は8桁の数字です。√→16=4が表示された時に「おっ!」と思いました。

 たった16個のパターンからルールが浮かんできたからです。1、4、9、16に対する√の値がそれぞれ1、2、3、4です。1、2、3、4のリズムに自然数というルールかも?と気づいたわけです。

 自然数というルールは次が、□→√=5となることを推測させてくれます。ここで、1、4、9、16と1、2、3、4の関係を考えたことは言うまでもありません。1、2、3、4の2乗がそれぞれ1、4、9、16です。ならば、5の2乗の25が□の数ではないだろうか。

 さらに続けます。17、18、19、20、21、22、23、24に対する√の値は8桁の数字です。そして、25→√=5となった瞬間、ルールは確信に近づいていきます。36→√=6、49→√=7、64→√=8、81→√=9、100→√=10、「やっぱり」。

 そして、√→2=1.4142135が1.4142135を2乗したのが2ということをつかみました。さらに、

1.4142135×1.4142135=1.9999998

 という電卓の結果は1.4142135は√2の本当の値ではなく近似値であることを示しています。だから、□×□=2となる√2は割り切れない数なのではないか、とも思いました。