世の中、番号だらけ
気がつけば世の中いたるところ番号だらけ。
電話番号、郵便番号、自動車登録番号、証券番号、学籍番号・・・、私たちは番号とともに生活しています。ネット社会ではサイトごとにパスワードの入力が必要です。
文字情報を数字情報に置き換える仕組みがASCII(アスキー)と呼ばれる文字コードです。ASCIIとはAmerican standard code for information interchangeの略です。このcodeがポイントです。日本語では符号と訳されます。
現在、コンピューター上におけるeメールやウェブ上で文字情報が自在に扱うことを可能にしている基本がアスキー変換です。文字情報以外にも映像、音声、動画といった情報も数に符号化されることが、コンピューターがマルチメディアを扱うことを可能にしています。
あらゆる情報が数に変換されるメリットは「数が計算できる」ことにあります。
ISBNの秘密
ISBN978─4─0874─6876─2
書籍にはこのようなISBNと呼ばれる番号がつけられて流通しています。ISBNはInternational Standard Book Number(国際標準図書番号)の略で、我が国では「日本図書コード」と呼ばれています。
ISBNはその名の通り、国際的な番号システムのことで固有の書籍出版物を発行形態別、1書名ごとに識別するユニークなコードです。
言うならば本の学籍番号のようなもので、書誌情報(国籍、出版者、書名)を特定して書籍の取引や図書目録の編纂に活用されています。今では世界100以上の国と地域で使用されています。ちなみに、例のISBNは拙書「夢中になる!江戸の数学」(集英社文庫)のものです。
このISBNには隠された“仕組み”が仕込まれています。符号の誤読を検出する仕組みです。13桁のISBNのうち1桁転記ミスしたコードが別な書籍のものに該当してしまい流通していまうことは問題です。
例えば次のように正しいコードに対して1桁異なるコードがあるとしましょう。
ISBN978─4─0874─6876─2 正しいコード
ISBN978─4─0874─6870─2 誤ったコード
次の計算によってコードの正誤判別できます。
【計算方法】右端から奇数番目の桁は1倍、偶数番目は3倍したものの総和を計算します。
9+7×3+8+4×3+0+8×3+7+4×3+6+8×3+7+6×3+2=150
9+7×3+8+4×3+0+8×3+7+4×3+6+8×3+7+0×3+2=132