トランプ氏、夫人としばらく「別居」へ 息子の学校優先

ドナルド・トランプ次期米大統領と息子のバロン君(中央)、メラニア夫人。ニューヨークのヒルトン・ミッドタウンで〔AFPBB News

 ドナルド・トランプ氏の奇跡の米大統領当選から3週間。世界が固唾を呑んで注視する来年1月末の就任を前に、助走の段階から「異例づくし」の出来事が続いている。

 「米社会は混乱し、いまだ、その事実や現実を受け入れられない」(知人の米政冶アナリスト)でいる――。

 実の娘(実業家で政治とカネの利権に接するイヴァンカ・トランプ氏)が父親の外交デビューに同席したり、議会承認不要の人事で政冶権限を行使したり、また重要な政権ポストである司法長官に人種差別発言で過去、上院が連邦判事承認を拒否した議員を起用したり・・・。

 さらには当選後のバラク・オバマ大統領との初会談で報道陣帯同の慣例の「プール取材」を拒否するなど、トランプ氏当選後の前代未聞の出来事は、枚挙に暇がない。

 そんな中、またもや「予期せぬ」ことが起き、波紋を呼んでいる。

気もそぞろのバロン君に全米が注目

 11月20日(日本時間21日) 、「ニューヨークポスト」のスクープを発端に、ニューヨークタイムズ、ワシントンポストなど大メディアが驚きを持って報じたのは、トランプ氏のメラニア夫人(46歳)と息子のバロン君(10歳)がホワイトハウスに同居せず、トランプ氏は「家族と別居する」という内容のニュースだった。

 理由は、息子のバロン君がニューヨークの名門私立小学校(CGPS=ニューヨーク屈指の有名プレップスクール。学費は年間4万ドル=約450万円)に現在の学年(4年生)を終了するまで通わせるためだという。

 米国の学年末は、6月末頃に終了するため、それまでバロン君とメラニアさんは、ニューヨーク・マンハッタン(五番街)にそびえ立つ私邸のトランプタワーのペントハウス(58階)に住み続けるというわけだ。

 トランプ氏は「今の学年が終われば一緒になる、すぐだよ(Very soon!)」と笑顔で記者団に語った。しかし、ファーストレディーがホワイトハウスに住まないのは過去にほとんど例がなく、異例中の異例。

 しかも、「本当にその時期が来て、夫人らがホワイトハウスに移り住むかは分からない」(前出の政冶アナリスト)という見方も根強い。

 選挙中、大メディアの集中砲火を浴びたトランプ氏は、大統領選に勝利した大きな要因の1つが「ソーシャルメディアの台頭」だったとSNSを持ち上げてみせた。しかし、そのSNSで大統領選時からくすぶっていたある憶測や疑惑が、今回のメラニア夫人とバロン君のホワイトハウス入り拒否宣言で再びじわじわと炙り出されている。

 「Is Barron autistic?」「Do you think Barron has autism?(バロン君は自閉症なの?)」――。https://www.youtube.com/watch?v=yZAd5Pu9iw4

 発端は、今年7月、トランプ氏を正式に共和党の大統領候補に指名した同党全国大会や、今月9日の大統領選当選で行ったトランプ氏の勝利宣言などで代表されるバロン君の振る舞いや行動だ。

 7月の同党全国大会では、トランプ氏の5人の子供たちの中で唯一、発言を一切せず、観客席に座っている際、体を不規則に揺すったり、拍手するときには両手を合わせず、その動きも不安定だった。さらに、舞台に上がったとき、他の人とは目を合わせず、よろよろしながら歩く様子がテレビに捉えられていた。